Windows をネットワークストレージ経由でインストールしてみました

概要

Windows PE を使って、Windows 7 をネットワークストレージ経由でインストールしました。

通常 Windows は、DVD や USB メモリなどのインストールメディアを使って、インストールします。そのため、一度にインストールできる台数はインストールメディアの数に限られます。

一方、ネットワークストレージを使ったインストールでは、複数台の PC からインストールメディアに アクセスできるため、同時にインストールが可能です。 また、ほとんどの環境では DVD よりもネットワークストレージのほうが、高速にアクセスできるかと 思いますので、インストール時間の短縮になります。

なお、Windows PE イメージの作成方法は、こちらの記事を参照いただければと思います。

9bo.hateblo.jp

メリットとデメリット

メリット

  • 同時に複数台のインストールが可能。
  • ネットワーク環境によっては、インストール時間の短縮。

デメリット

  • ネットワーク環境が必須。ネットワーク内に DHCP サーバが存在することが望ましい。
  • ネットワークストレージ(NAS)が必要。

用意するもの

手順

インストールメディアのコピー

作業用 PC で、インストールメディア内のフォルダ、ファイルを、ネットワークストレージにまるごとコピーします。 今回は、以下の共有フォルダにコピーしました。

\\192.168.10.100\share\7x64\

Windows PE で起動

インストール対象の PC で、Windows PE ディスクを使って起動します。 起動が完了すると、コマンドプロンプトが表示されるかと思います。

f:id:u9bo:20170129000022p:plain

ネットワークストレージへのアクセス

まず、ネットワークに接続されていることを確認しましょう。

>ipconfig

Windows IP 構成


イーサネット アダプター イーサネット:

   接続固有の DNS サフィックス . . . . .: xxxx
   IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.10.50
   サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
   デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 192.168.10.1

DHCP サーバから IP アドレスが割り当てられていることを確認します。 DHCP サーバが存在しない環境では、ここで IP アドレスの設定が必要です(今回は割愛します)。

次に、ネットワークストレージへアクセスしましょう

>net use N: \\192.168.10.100\share /user:john *
\\192.168.10.100\share のパスワードを入力してください:
コマンドは正常に終了しました。

共有フォルダ(\\192.168.10.100\share)が N:\ にマウントされます。

/user:john は接続ユーザ名です。環境に合わせて変更してください。

Windows インストーラの起動

Windowsインストーラを起動します。

>N:\7x64\setup.exe

f:id:u9bo:20170204153154p:plain

インストーラが起動しました。あとは、通常と同じようにインストールを進めれば完了です。

f:id:u9bo:20170204153245p:plain

以前、同様な手順で複数台の PC に対して同時にインストールした際には、 Gigabit Ethernet 環境だったということもあり、全体でみると、通常の半分程度の時間で インストールが完了しました。

f:id:u9bo:20170204160646j:plain

まとめ

今回は、ネットワークストレージを使って Windows のインストールを行いました。 難易度は高くなく手軽に実施できるかと思います。

Windows PE は、起動時にシステムファイルが RAM ドライブ(メモリ)に展開されますので、 Windows PE の起動後はディスクを取り外してしまっても問題ありません。 ですので、複数の PC に対して、流れ作業でインストールを行うことができます。

また、Windows PE は PXE でのブートも可能ですので、PXE ブート可能な環境を構築すれば、 Windows PE のディスクを用意する必要なくインストールができるようになります。 こちらについては、今後取り組んでみようと思います。